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サンバに恋してリオとサンパウロを股に掛けるサンバダンサー・ジョエさん

2016年8月26日 海外在住日本人インタビューブラジル

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トラベロコは海外在住日本人が輝ける場所を提供する「日本人のための海外プラットフォーム」。
この記事では、現在海外で活躍中の日本人の方に直接インタビューし、現地での事や海外に行くまでの経緯、日々の生活などをご紹介します。

ジョエさん

ジョエさん

今回インタビューさせて頂くのは、ブラジル在住9年目のジョエさんです。
ジョエさんはサンバ・ダンサーのパシスタとして毎年リオのカーニヴァルに出演される一方、サンパウロでは人気のサンバ講師として活躍されています。
さっそくお話を聞いてみたいと思います。

ブラジルに住むことになった経緯を聞かせてください

日本でサンバを始めて、2000年から毎年浅草のサンバ・カーニバルに出ていました。2003年からの4年間は毎年カーニバルの時期に1か月~半年くらいの長期的な旅行としてブラジルに来ていました。サンパウロのカーニバルに出たり、リオのカーニバルを見に行ったりしていましたね。そのうち「長くしっかり来てリオでパシスタとして出たいなぁ」と思うようになり、ポルトガル語も勉強したかったので、2008年に学生ビザを取ってサンパウロに来ました。

現在のブラジルでの生活について教えてください

基本的にはサンパウロに居ますが、カーニバルの時期やチームの練習がある時は毎週のようにリオに行くので、サンパウロとリオを行き来しているような感じですね。サンパウロでは日本人や日系人の方にサンバやボディ・コンディショニング(ストレッチング)を教えています。大人だけでなく、子供のサンバ・クラスや赤ちゃんとお母さんのサンバ・クラスもありますし、男性のクラスもあります。サンパウロは駐在員の奥様も多いですが、赤ちゃんを連れて安心して行けるところも日本と比べたら少ないですし、大人のサンバクラスに赤ちゃんを連れて行くと周りに気を遣ってしまって楽しめない方も多いようなので、赤ちゃんがいるお母さんのためのクラスを作って気兼ねなく楽しめるようにレッスンしています。他には、ヴィジョン・トレーニングを元にした子供のためのキッズ・ボディ・コンディショニングのクラスは好評を頂いています。視覚機能の発達を促すことでイメージした通りに身体を動かせるようになったり、集中力を高める効果もあるので子供にとって凄く良いと思いますね。子供が好きなので教えるのも楽しいです。

サンパウロとリオを行き来する生活、大変じゃないですか?

大変ですよ(笑)飛行機だと時間が縛られたり、早めに予約しないと高くなるので、バスで行く事が多いんですけど、結構疲れますね。旅行気分で1,2回バスで行く位なら楽しいんですけど、毎週だとさすがにね(笑)サンパウロでも予定があるので、バスで6時間かけてリオまで行って練習に参加して、練習が終わったらまた6時間かけてサンパウロに戻ることもありますし。リオにいる時間よりもバスに乗っている時間の方が長い時もあります。10月くらいからほぼ毎週そんな感じなので、結構体力的にキツイですね(笑)

アベニーダ・パウリスタで

アベニーダ・パウリスタで

ジョエさんから見たサンパウロとリオの違いは?

ブラジルではよく「カリオカ(リオの人)は働かない」「パウリスタ(サンパウロの人)は働いてばっかり」って言いますね。サンパウロに住んでいる人は「リオは危ないから気をつけろ」って言うし、リオの人は「サンパウロは危ないから気をつけろ」って言います(笑)日本で言うと東京と大阪みたいな感じですかね。性格的にはサンパウロの方が日本人には付き合いやすいかなと思いますね。リオの方が約束や時間に関してはルーズだなぁとは思いますね。もちろん人によりますけど(笑)

ブラジルでのサンバ人生で、特に印象的だったことはありますか?

サンビスタ(サンバを愛してやまない人)は、言葉の通りチームをすごく愛する気持ちが強いですね。日本人でサンバを知らない方だと「有名なチームにいるから凄い」とか「上位のチームで出るから偉い」とかそういうことを仰る方もいるんですけど、そうじゃないんですよね。こっちだと「キミの心のチームはどこなんだ?」ってよく聞かれるんですけど、どのチームにいても、愛する気持ちは変わらないことにじんとします。2010年から6年間リオのインペラトリスというチームにいたんですけど、1年目に出た時に若くてリーダーシップのある子がいたんです。彼女は子供の頃から家族も全員生え抜きのサンバ・ダンサーで、踊りもすごく上手でスタイルも良くて可愛いくて。ひとりひとりに「(観客を)驚かそうね!」って声をかけていて、彼女が本当にチームを愛しているのが伝わってきて感動しましたね。日本人の私にも「仲間として頑張ろうね!」と声をかけてくれて、彼女はすごい年下だったけど「付いていく!」って思いましたね(笑)
あと、これは声を大にして言いたいのですが、日本人でも私よりもっと前から活躍しているブラジルサンバ界でパイオニアとなってくださった方々が存在します。まだ情報も少なくインターネットも発達していない頃から彼ら、彼女らがものすごい情熱で先陣を切って飛び込んで、非常に苦労しながら地道かつ真摯に頑張ってくれたからこそ後発の私も受け入れてもらい易くなったのだということを痛感します。最近はそのおかげで他の日本人でもダンサーや楽器隊としてカーニバルに参加している、ブラジル人に負けないパワーと技術を兼ね備えた日本人が他にも増えてきているので、ぜひそこにも注目して欲しいです。

近い将来やりたい事や次の目標などはありますか?

ブラジルにずっと住むことはないと思うので、日本に帰ってサンバを教えたり、ブラジルの面白いアイテムやオブジェを日本人が受け入れやすいようにアレンジして紹介出来ればと思っています。水着を友達と一緒に企画して作ったり、日系人のデザインをやっている友達とブラジル特有のモチーフのオリジナルTシャツを作ったりもしていますね。ブラジルにはボンフィン(サルバドールにある教会に縁があるカラフルなリボン)のような独特のものもたくさんあるので。あとは、いつかサンバ漫画を描きたいという野望もあります。それにはまず、絵を習わないとですけど(笑)

ブラジルのコトを教えてください

ブラジル人は日本や日本人に対してどんな印象を持っていますか?

人によってそれぞれだと思うんですけど、一般的に日本人は「実直でちゃんとしている」「礼儀正しい」「賢い」「お金を持っている」と思われていますね。それは本当に移民の方のおかげだと思うんですけど、地位がそんなに低くないので、高級レストランなどにも入りやすいですね。どんなところに行っても差別を受けることもあまりなく、同じアジア人でも中国人や韓国人に比べて日本人には特別に親しみを持っている人が多いですね。

ブラジルの好きなところは?

日本では絶対に起こらないようなことが起きることがある、というところでしょうか。日本人の常識で考えてダメだと思ったことが何とかなったり、思わぬような偶然でラッキーな出会いがあったりすることがあります。本当にその様が無茶苦茶で、予定調和でない部分がそのときはしんどくもあるんですけど、後で考えると刺激的で面白かったりもします。
あとは子供がとにかく可愛いですね!無邪気というか擦れていないんですよね。まだポルトガル語があまり話せなかった頃にブラジルの子供達に助けられた事もありましたね。サンバのチームの練習の時に一応大人の輪の中に入って会話に参加しようとしたんですけど、何を話しているかわからなくて上手く溶け込めなかったんですね。そんな時に子供達が「遊んで〜!」とか「日本語教えて〜」って無邪気に寄ってきたり、いつも挨拶してくれたのが凄く嬉しかったですね。そんな風に子供達に囲まれた時に「あ、私ここに居ていいんだな」って思えたので、子供達には凄く感謝していますね。

日本とブラジルの文化の違いについて

もちろん分かり合えない事や違うこともたくさんあるんですけど、喜んだり、楽しんだり、感動したり、美しいものを見て美しいと感じるっていう基本的なところは、本当にみんな同じなんだなぁと思いますね。
違うところで言えば、約束が守れないとか貸した物が返ってこないこともありますね。あとは、狩猟民族だったからなのか分からないですけど、あまり先のことを考えないというか(笑)例えば、日本人同士だと「来週会う」という約束をしたら、だいたいの時間や場所はわりとすぐに決めると思うんですけど、ブラジル人は「また連絡するね!」で終わるんです。日本人からすると「え?来週って結構すぐだよね?」と思うんですけど、こちらでは違うみたいですね。それでまた連絡を取ると予定が変わってしまっていたり。まぁ全員が全員じゃないですけどね。例えば日本語学校に通っている友達は日本人みたいにきちんと約束を守ってくれますしね。

ブラジルで暮らす上で心得ておいた方がいい事

ブラジル人独特のやり方っていうのがこちらにはあるんですね。ジェイチーニョって言うんですけど。それを日本人が理解するのは難しいと感じるかもしれませんね。ここはブラジルなので日本人のやり方を通そうとしても無理ですし、ジェイチーニョを理解しようとする気持ちは持っていた方が良いと思いますね。

ブラジルに旅行で来る方へのアドバイス

日本人で何回も強盗に遭っている人は、自分のスタイルを客観的に考えたほうがいいかもしれませんね。気をつけていればそこまで危ない事っていうのは無いですし。日本人は日本人丸出しの格好をしているので目立ちます。特に女の子は服装にも気をつけた方が良いと思います。ブラジルに来た開放感からなのか、近所のスーパーへ行くだけなのに必要以上に肌を露出していたり高いヒールの靴を履いてる子もいますけど、そういう格好は普通に考えても狙われやすいですよね。現地で買ったものを着て、何かあったらすぐ逃げられるような格好をした方が良いと思います。男性もブラジルだからどこでもビーサンで良いという訳ではないですし、強盗をする犯人からすると日本人の男の子を襲うのは、老人や女の子から物を奪うよりも罪悪感が少ないんだと思います。
あとは、危ないところには絶対にひとりでは行かないほうがいいです。私もファベーラに住む友人達とパーティーに行く事もありますけど、必ず現地の友人と複数で行きますし。普段も何かあったらタクシーを使うようにしています。スマホにも気をつけてくださいね。私は道を歩いてる時に電話がかかってきてもその場では出ないようにして、安全な建物やカフェの中に入ってから出るようにしています。気をつけ過ぎるくらい気をつけるのがちょうどいいと思いますね。

最後にサンパウロとリオのお気に入りの場所を教えてください

有名な観光地はみなさんご存知だと思うので、ローカルに人気の場所をいくつか挙げますね。
サンパウロは買い物が好きでローカルっぽい場所に行きたければ25 de Marcoがオススメです。ここは色んなものがとにかく安く売っているので、地元の人に人気です。私もサンバで付けるピアスだったりアクセサリーを買いに行きます。ただ治安はあまり良くないので、行く時は気をつけてくださいね。洋服だったっら、卸の洋服屋さんが多いBrásかBom Retiroですね。Brásはブラジルっぽい洋服が多くて、夜はナイト・マーケットをやっている日もあります。Bom Retiroは韓国のファッションや韓国食材なども買えます。
リオだとPiscinão de Ramosですね。大きなプールという意味の人工の湖で、周りはビーチのようになっていて、砂浜にパラソルがあってビールが売っていて。音楽がかかればみんな踊ったりします。日焼けをしたい時にはここでのんびり過ごします。庶民的な感じでほとんど地元の人しかいないのでローカルっぽい所です。あとは家の側のBonsucessoという駅からファベーラとファベーラを繋ぐゴンドラが通っているんですけど、観光客として乗る事も出来るので良いかもしれませんね。俯瞰で見る延々と続く巨大ファベイラは圧巻の一言です。但し、どちらも危険な場所に近いので小道などには絶対に入り込まないようにしてください。

ブラジルでの珍体験も笑いに変えてしまう明るいジョエさん

ブラジルでの珍体験も笑いに変えてしまう明るいジョエさん

いかがでしたか?
サンバの為にサンパウロとリオを往復する生活を8年以上続けているというストイックな一面からは想像が出来ないほど、ユーモアのセンスに長けていて面白いジョエさん。サンパウロに来た際はジョエさんのレッスンを受けて、ブラジルでのオモシロ話を聞いてみてはいかがでしょうか?

ジョエさんのレッスンを受けたい方はこちら:
Vamooosambar(ヴァモサンバ教室)
http://vamooosambar.wixsite.com/vamooosambar

ジョエさんのオモシロBlog:
http://joe.hatenadiary.com/

[取材・編集:三谷めぐみ]

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